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Research Interests

 私は、岩石に記録された化学組成に基づき、地球・惑星表層環境の進化を解読する研究に取り組んでいます。特に、先カンブリア時代の炭酸塩岩を用いて、過去の海水組成、酸化還元状態、熱水活動の影響、生命必須元素の供給状態を復元し、海洋環境と生命進化の関係を明らかにすることを目指しています。また、火星隕石ALH84001に含まれる炭酸塩鉱物を対象に、古火星表層水の化学組成やリンの存在状態を推定し、火星表層環境における水と生命必須元素の挙動を理解することを目指しています。

 これらの研究では、岩石記載、鉱物組み合わせ、主成分・微量元素組成、放射光分析などを組み合わせ、岩石に記録された初生的な環境情報の抽出を重視しています。さらに、砕屑性ジルコンのU–Pb年代測定に基づく白亜紀・古第三紀西南日本の形成史についても研究しており、岩石に残された記録から地球・火星の表層史を多角的に理解することを目指しています。

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(1) 海水組成の経年変化と生命の共進化解読

 先カンブリア時代の炭酸塩岩の地球化学的特徴に基づき、過去の海洋組成の復元に取り組んでいます。先カンブリア時代の炭酸塩岩は、変成作用や変質作用などの堆積後の二次的改変を受けていることが多いため、その起源や初生的な化学組成を慎重に評価する必要があります。そのため、岩石の地質学的産状、鉱物組み合わせ、主成分・微量元素組成に基づいて初生的な炭酸塩岩組成を復元し、炭酸塩岩の起源と堆積場を推定したうえで、堆積当時の海水組成を最もよく反映する炭酸塩岩組成の抽出を試みています。

 特に、希土類元素や生命必須元素に着目し、古海洋の酸化還元状態、熱水活動の影響、生命必須元素の溶存量を制約することを目指しています。さらに、得られた初生的な炭酸塩岩中の生命必須元素組成に基づいて、地球史を通じた海洋中の生命必須元素組成の経年変化を推定し、生命進化との関連性を検討しています。

[関連業績]

06. Satoshi Yoshida, et al. (2026). Constraints on bio-essential elements in the Paleoproterozoic seawater: Estimation from in situ analyses of the carbonate rocks, Francevillian Group, Gabon. Geoscience Frontiers 17, 102290, doi.org/10.1016/j.gsf.2026.102290.

05. Satoshi Yoshida, et al. (2024b). Y-Ho fractionation during basalt alteration in hydrothermal system: An implication for superchondritic Y/Ho signature recorded in Precambrian banded iron formations. Chemical Geology 670, 122421. doi.org/10.1016/j.chemgeo.2024.122421

04. Satoshi Yoshida, et al. (2024a). Depositional condition of Paleoproterozoic Francevillian carbonate rocks revisited from rare earth element contents. Geoscience Frontiers 15(3), 101771. doi.org/10.1016/j.gsf.2023.101771

03. Satoshi Yoshida, et al. (2021). Occurrence and chemical composition of the Eoarchean carbonate rocks of the Nulliak supracrustal rocks in the Saglek Block of northeastern Labrador, Canada. Island Arc 30(1), e12381. doi.org/10.1111/iar.12381

​02. 吉田 聡,小宮 剛(2019).ラブラドル・ヌリアック表成岩の炭酸塩岩の化学組成と炭質物の炭素同位体組成─地球最古の生命の痕跡と海水組成の推定─.地学雑誌 128(4),597–623.doi:10.5026/jgeography.128.597

01. 小宮 剛,青木翔吾,吉田 聡(2018). カナダ,ラブラドル・ヌリアック表成岩類の地質と年代 ─地球最古の表成岩とプレートテクトニクスの証拠─.地学雑誌 127(5), 683–704.doi:10.5026/jgeography.127.683

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(2) 古火星表層水組成の推定

 火星隕石ALH84001に含まれる炭酸塩鉱物の地球化学的特徴に基づき、古火星表層水の化学組成の復元に取り組んでいます。ALH84001は、初期火星の地殻物質に由来する最古級の火星隕石の一つであり、その内部には火星表層または地下浅部の水との反応によって形成したと考えられる炭酸塩鉱物が含まれています。そのため、ALH84001中の炭酸塩鉱物は、古火星に存在した水の化学的特徴を記録している可能性があります。

 特に、ALH84001中の炭酸塩鉱物について、主成分・微量元素組成、希土類元素組成や生命必須元素に着目し、古火星表層水の酸化還元状態、熱水活動の影響、生命必須元素の供給状態を制約することを目指しています。さらに、炭酸塩鉱物中のリンの存在状態を明らかにすることで、火星表層環境におけるリンの挙動や、生命に必要な元素がどのような形で保持されていたのかを検討しています。

[関連業績]

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(3) 白亜紀・古第三紀西南日本形成史の解読

 

 砕屑性ジルコンのU–Pb年代測定に基づき、白亜紀から古第三紀にかけての西南日本の形成史を解読する研究に取り組んでいます。西南日本には、和泉層群に代表される白亜紀前弧盆地の堆積物が広く分布していますが、その西端部にあたる九州西部では、堆積年代、後背地、既存の地層との対比に未解明な点が多く残されています。

 私は、長崎半島、西彼杵半島、天草諸島などに分布する白亜紀・古第三紀砂岩を対象に、砕屑性ジルコンの年代スペクトルを解析し、各地層の堆積年代と砕屑物の供給源を推定しています。これにより、九州西部に分布する砂岩が、白亜紀の大規模な前弧盆地堆積物とどのような関係にあるのかを検討しています。

 特に、砂岩中のジルコン年代スペクトルを西南日本各地の同時代堆積物と比較することで、前弧盆地の連続性や分断、後背地の変化、さらに古第三紀における西南日本西端部の地殻改変過程を明らかにすることを目指しています。

[関連業績]

01. 吉田 聡,ほか(2022).西南日本弧白亜紀前弧盆地の西端とその後背地─長崎・西彼杵半島の上部白亜系・古第三系砂岩の砕屑性ジルコンU-Pb 年代測定─.地学雑誌 131(4),407–422.doi:10.5026/jgeography.131.407

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